【仙台平とは/人間国宝 甲田綏郎】本庶佑氏・羽生結弦氏から紐解く授賞式での袴姿
結婚式や受賞式など正式な場で着用する「黒紋付きの羽織・袴姿」。日本において男性の最も格の高い正装です。
フィギュアスケート男子で66年ぶりの五輪連覇を達成し、史上最年少で国民栄誉賞を授与した「羽生 結弦」選手。
2018年12月11日、スウェーデンストックホルムでノーベル医学生理学賞の授賞で話題になった京都大学の「本庶 佑」教授。
この2名ともに受賞式は黒の紋付き羽織・袴姿でした。
その際、着用された袴は「仙台平」というもので、「男なら一生に一度は着てみたい。」最高級の袴です。
最高峰の袴として宮中御用達の品にもなっております。
本庄教授✨ノーベル医学生理学賞受賞 おめでとうございます🎉
仙台平よくお似合いです😊
受賞決定時から受賞式は和装で とおっしゃっておられたようで。。
ご希望が叶って何よりです😊羽生くんの仙台平姿と並べてみる✨ハリがあって美しい袴。 pic.twitter.com/cdt8gKdhls
— ねり✨右足回復ジョウブニナーレ祈願🙏✨ (@utukushi_4T3A) 2018年12月11日
最高峰の袴「仙台平」とは
「仙台平」(せんだいひら) は、宮城県仙台市にある「合資会社仙台平」だけでつくられる絹織物です。
仙台平をつくる技術とされる「精好仙台平」は重要無形文化財に指定されています。
合資会社仙台平の「甲田綏郎(こうだよしお)」氏は、江戸時代から続く伝統と技を守り、平成14年に重要無形文化財技術保持者(人間国宝)として認定されています。
仙台平の製造工程は、生糸精錬から仕上げまで一貫生産で約30工程にもなります。製造技術は一子相伝の秘伝であり、数十年の熟練を要します。
「仙台平」の由来・歴史
「仙台平」は、江戸時代(貞享・元禄時代)、仙台藩四代藩主「伊達綱村」卿が、産業振興のため御用織物師を召し抱え、藩御用の織物を織らせたことに始まると伝えられています。
以降、代々藩主の支援を受けながら、改良を重ねることで、皇室、将軍家に献上されるほど最高峰の織物袴地を織りだすまでになります。
明治・大正・昭和初期にかけては、最高の袴地として仙台市の主要産業となり、年間3万反の量産を誇ったといわれています。
しかし、第二次世界大戦の贅沢品禁止令のため、ただ唯一「甲田榮佑」氏のみが、その技術保持のために、少量の生産を受けて製作を続けていくことになりました。
戦後10年が経った、昭和31年(1956)。文化財保護法が制定された年に、「精好仙台平」を重要無形文化財に指定されたのです。
そして、「甲田榮佑」氏をその技術保持者(人間国宝)として認定しました。
昭和45年(1970)「甲田榮佑」氏死去後、嗣子「甲田綏郎」が継承。平成14年(2002)7月、親子二代に渡り重要無形文化財に指定。
現在は、合資会社仙台平ただ一軒のみが、仙台平の伝統を受け継いでいます。
「仙台平」の特徴
仙台平の特徴は、「織味」「織香」「織風合」、そして「気品」です。「堅さ」と「柔らかさ」という相反するものが融合した絹に、織上がりの味を加え、これに風格と品位を備えなければならないのです。
座れば堅さのある優雅なふくらみを持ち、立てばさらりと簾の如く自然に折り目が立って美しく形が整う。
どんな動作にも耐えうる袴ということが最大の特徴でもあります。
この特徴を生み出すために素材にこだわっている点は「草木染色」と「上質な生糸の性質をそのまま引き出す技法」です。
古来から受け継がれる草木染めの染織法に独自の近代感覚を融合。
生糸を撚らずに生のまま精練した「無撚濡れ緯糸」を用いての特殊打ち込み法によって色彩のみでなく、強靭な織物と成します。
これからの男着物について
これまで男の憧れである「仙台平」についてみてきました。
やはり紋付き羽織・袴姿はかっこいいですね。
「ここぞ!」という大事な場面では日本男児として袴姿で挑むようになってほしいなと思います。
特に国際的な舞台では、どんな高級なスーツを着ているよりも品格を感じられるのではないでしょうか。
世界に誇れる民族衣装としてどんどん著名人の方々にも自信をもってお召いただきたいものです。
あらためて本庶佑さんこの度の受賞おめでとうございます!!
ワラノート : 本庶佑さん、和服姿でノーベル賞授賞式に 和服姿の受賞者は、川端康成氏以来で半世紀ぶり https://t.co/R4RnE0sS4f pic.twitter.com/ysNogrgwEb
— 能登和良 (@waranote3) 2018年12月11日
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きもの蝶屋
山本