-即位礼正殿の儀- 新天皇の装束「黄櫨染御袍」って?「天叢雲剣」と虹の関係性とは?
-即位礼正殿の儀-
本日2019年10月22日(火・祝)
天皇陛下が、国内外に天皇即位を示す「即位礼正殿の儀」が厳かに執り行われました。
天皇陛下は、「高御座」の上で天皇専用の装束「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」をお召しになってお言葉を述べられ、
天皇皇后雅子様は、十二単をお召になり、「御帳台」に上がられました。
天皇陛下が即位を宣言する「即位礼正殿の儀」-英国のチャールズ皇太子やデンマークのメアリー皇太子妃ら海外の王族も参列 pic.twitter.com/uFsKCPYEVc
— ブルームバーグニュース日本語版 (@BloombergJapan) October 22, 2019
午前中は激しい雨でしたが、儀式の前には雨が上がり幻想的な虹がかかりました。まさに神がかり神々しい現象が起こりました。
空も祝福しているようでしたね。
即位礼正殿の儀が行われてますね。それを祝うかのようにみなとみらいの低い位置に虹が出てます。こんなの初めて見ました。 pic.twitter.com/Cdh24MoTYU
— Aki (@Aki3086) October 22, 2019
「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」にまつわる神話
即位の礼の際、使用された「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」は日本国の「三種の神器」です。
「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」「草那藝之大刀(くさなぎのたち)」ともいわれます。
この天叢雲剣は、雨雲を晴らし世を平和にするという言い伝えがあります。
その言い伝え通り、令和の元号が使用された初日は雨が降っており、平成の初日も雨でした。
そして本日の即位の礼。この「天叢雲剣」が使用されることで再び雨が降りました。
雨が降ることで穢れを落とされ、即位礼正殿の儀がはじまると、天照大御神が天叢雲剣の力を御して皇居付近が晴れる。
というなんとも神秘的なことが現実的に起きました。
流れてきた呟きで勉強になりましたが
皇室の 皇位継承の証・三種の神器の一つである「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」は天空に群れ雲を発生させる剣である。今日の関東、特に東京の空の上には 正に今、雨を降らせる雲が。
天照大神の力は 儀式を終えた後に 見る事になるのかも知れませんね。 pic.twitter.com/Cxqp7rmhVy— むらさき✨far away (@Winered3242) October 22, 2019
「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」って?
「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」とは、「黄櫨染(色の種類)」の「御袍(束帯装束の形)」と分解できます。
この「黄櫨染御袍」は、重要な儀式の際に日本国の天皇が召される装束で、「黄櫨染」は、蘇芳(すおう)の芯材と山櫨(やまはぜ)の樹皮から抽出して染め出される(黄がかった茶色)(赤みがかった黄色)といわれています。
黄櫨染は非常に高度な熟練した職人でも同じ色を染めるのは不可能といわれるほど難しいとされています。同じ黄櫨染御袍でも天皇によって微妙な差が生まれるのですね。染色法も明かされておらず、まさに「幻の色」ともいえます。
「黄櫨染御袍」の歴史
黄櫨染の御袍が天皇の装束として定められたのは、平安時代の弘仁11年(820年)までさかのぼります。
この「黄櫨染」は、中国・唐の文化の影響を受けたとされ、当時の中国では隋の時代以降、黄色は尊い色とされていました。
また黄櫨染は、真昼の太陽の色(太陽が一日で一番高いところに昇った時の色)を象徴したともいわれています。
明日の #即位礼正殿の儀 で、天皇陛下が召される装束は黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)。「最も高い南中高度から、遍く世界を照らす太陽」を表すされる色とされる。
皇嗣殿下の装束は黄丹袍(おうにのほう)。揚々と昇る朝日を表す色とされる。
自然の循環が装束に表れている。
※写真は前回の物 pic.twitter.com/VI7Kw2ZQcS
— みたま (@mitama_) October 20, 2019
以降、現代にいたるまで約1200年間、黄櫨染は天皇以外の着用が許されない禁色となりました。
「冠位十二階」に代表される位によって色を分ける制度でも、最上級は濃紫・最下位になると薄い黒と伝わっています。
この禁色とはどれだけ位をあげても決して身につける事ができなかった高貴な色なのです。
女性皇族の衣裳「十二単」
両陛下のご装束姿を公開 眞子さま、佳子さま初の十二単https://t.co/4upWebr06p
秋篠宮妃紀子さまの十二単には、皇室を象徴する「菊」と秋篠宮さまのお印である「栂」の紋が入っている。眞子さま、佳子さまも初めて十二単を身につけられた。唐衣などは平成の即位礼正殿の儀で使われたものを再利用。 pic.twitter.com/jstQ7Bw3nd
— 産経ニュース (@Sankei_news) October 22, 2019
天皇皇后雅子様の「十二単」だけでなく、秋篠宮妃紀子さま、眞子さま、佳子さまの十二単姿も美しかったですね。
皇族において十二単をお召しになる機会は、この度の即位儀礼と結婚の際にしかありません。とても貴重なお姿です。
今回の十二単をはじめとした様々な儀式用装束や唐衣は、
宮中御用達の「高田装束株式会社」、「株式会社井筒装束店」をはじめとした装束店が製作されたそうです。
まとめ
本日の即位礼正殿の儀に際して、注目を集めている
・「天叢雲剣」にまつわる神話
・天皇陛下の装束「黄櫨染御袍」
・「十二単」
についてご紹介しました。
この機会を機に伝統衣装や着物など様々な分野に注目が集まるといいですね。
延期された11月10日の祝賀御列の儀(祝賀パレード)も楽しみです。
最後に天皇陛下の”おことば”でしめくくらせていただきます。
さきに,日本国憲法及び皇室典範特例法の定めるところにより皇位を継承いたしました。ここに「即位礼正殿の儀」を行い,即位を内外に宣明いたします。
上皇陛下が三十年以上にわたる御在位の間,常に国民の幸せと世界の平和を願われ,いかなる時も国民と苦楽を共にされながら,その御心を御自身のお姿でお示しになってきたことに,改めて深く思いを致し,ここに,国民の幸せと世界の平和を常に願い,国民に寄り添いながら,憲法にのっとり,日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います。
国民の叡智とたゆみない努力によって,我が国が一層の発展を遂げ,国際社会の友好と平和,人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。
(宮内庁HPより)
令和時代が平和な時代でありますように。
見逃した方は、総理官邸がUPしている「即位礼正殿の儀」全編をご覧ください。
今回の儀では登場することはありませんでしたが、蝶屋では宮中御用達の染元で創業464年の歴史を誇る「千總」の商品も数多く取り揃えております。
福岡久留米のきもの専門店「きもの蝶屋」