アットゥシ

「アットゥシ」は、木の内皮の繊維を織ったアイヌの織物です。アイヌ語でオヒョウニレ(att)の木の皮(rusi)を意味します。

様々な言い方があり、「アツシ」、「アトゥシ」、「アットゥシ織」、「アッシ織」、「厚司織」ともいわています。

もともとは労働者の仕事着として使われ地厚な木綿の平織り、または綾織りで、紺無地や大名縞などの単純な柄が多く、 厚手で素朴な風合いです。

語源はアイヌ語の「アッツシ」で、オヒョウ、アカダモなどの樹皮をはぎとって水に浸してやわらかくし、麻をつむぐように細く裂いて糸にし、 「アツシカラペ」と呼ばれるアイヌ独自の地機で織り上げ、刺繍を施したアイヌ人の日常着でした。

染色しないで織り上げ、魔除けや祈りの意味で括弧文、渦巻き文、 巴文などを刺繍で表すのが特徴です。

アイヌの織り具は、弥生時代の原始機が発見される以前から、地機に先行する織り具として使用されており、その歴史の深さが伺えます。

現在は、敷物や小物など観光物産品としてわずかに流通しています。

その中でも2013年、日高振興局管内沙流郡平取町二風谷で織られる「二風谷アットゥシ」が北海道の工芸品としては初めて経済産業大臣指定伝統的工芸品に追加されました。